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✅ この記事でわかること

5歳で標高723mの低山(11.4km縦走)を完歩できました。ただし条件があります。

  • 標準コースタイムの1.5〜2倍で計画すること
  • 下りの転倒対策として手袋(軍手)必携
  • 帰りの電車で即寝するほど疲れた。それでも「また来たい」と言っていた
  • 「何歳か」より「コース選び」と「時間設計」が成功の鍵

目次

  1. 実際に起きたことを先に話します
  2. 理学療法士として考える年齢別の目安
  3. 5歳と歩くと起きること
  4. 「行ける」より「行ってよかった」にするために

実際に起きたことを先に話します

2026年4月29日、「大野山」山開きの日。

しょうの息子(5歳)が、谷峨駅から山北駅までの大野山縦走コース(距離11.4km・累積標高約698m)を、自分の足で歩きました。

結果:完歩!

しかし、「楽勝だった」という話ではありません。

標準コースタイムは約4時間26分(出典:YAMAP)。5歳の子どもと歩いた実際の所要時間は、昼食・休憩・写真撮影を含めて6時間31分。標準の約1.5倍の時間がかかりました。

下りは特に大変でした。山北側のルートは急な階段が続き、子どもが何度か転倒して手をつく場面がありました。錆びた手すりもある区間で、手袋を持たせていなかったことを後悔しました。

山頂では思い切り走り回っていた子どもも、帰りの電車に乗った途端、電池が切れたおもちゃのように眠りにつきました。

それでも、ゴールの山北駅に着いたとき「また来たい」と言っていました。

5歳の子どもが限界まで出し切って、それでも「また来たい」と言える山がある。そう知っているかどうかで、最初の一歩の踏み出しやすさは大きく変わると思います。

皆様も、お子様との登山を無事に成功させたいと考えていると思います。特に初登山となれば不安も多々ありますよね。この記事は実体験をもとに理学療法士として振り返った記録となります。お子様との初登山に踏み出すきっかけになれば幸いです。


理学療法士として考える年齢別の目安

⚠️ 以下はあくまで目安です。個人差があります。体調・気温・コース条件によって大きく変わります。

子どもを山に連れて行くとき、「この子には早すぎるかな」と迷ったことはありませんか。年齢ごとに骨格の発達・筋持久力・体温調節の能力は大きく異なります。理学療法士として、それぞれの年齢で何が変わるのかを整理しました。

3歳未満:基本は抱っこ

自分の足で歩ける距離・時間ともに限られています。荷物もすべて大人が持ちます。舗装路の公園散歩と山道は別物です。この年齢で登山を楽しむには、親がほぼすべての負担を担う前提で計画しましょう。

目安:コース距離1km以内・標高差50m以内

3〜4歳:短い距離から始める

自分で歩こうとする意欲が出てくる時期ですが、筋持久力はまだ発展途上です。でこぼこの道ではバランスがとれずに転倒をする可能性が高いです。途中で抱っこが必要になる前提で動いてください。ゴールが見える距離のルートが合っています。

目安:コース距離2〜3km・標高差100m以内・行動時間2時間以内

5〜6歳:低山の縦走が視野に入る(実証済み)

この年齢になると歩行パターンが安定し、筋持久力も発達してきます。好奇心が旺盛で、山の中の発見を楽しめる年齢でもあります。一方で、下りの衝撃を吸収する筋力はまだ発展途上で、急な斜面では転倒しやすい状態です。体温調節機能も未熟なため、こまめな休憩と水分補給が欠かせません。

実際に5歳の子どもと登山をしたらどうだったか、共有します。

しょうの息子(5歳)は、標高723mの大野山を11.4km縦走しました。登山道に現れた吊り橋では一瞬ドキッとした顔をしましたが、すぐに楽しそうに渡り始めました。チェンソーアートの置物を見つけると何度も立ち止まり、大人には見えていない世界に夢中になっていました。山頂では疲れを忘れたように走り回り、下りでは急な階段で何度か転倒して手をつきました。理論通り、下りの衝撃吸収の弱さがそのまま出た形です。

それでも最後まで自分の足で歩き、ゴールの山北駅に着いたとき「また来たい」と言っていました。

目安:標高700m以下・整備された登山道・標準コースタイムの1.5〜2倍で計画・手袋必携

7〜9歳:行動時間が伸びる

体幹と脚力のバランスが整い始め、4〜5時間の行動に対応できる子が増えます。こまめな水分補給・休憩のペースは引き続き子ども基準で組んでください。

目安:標高1,000〜1,500m程度・行動時間5時間以内

10歳以上:数字より判断力が大事になる

骨格・筋力ともに大人に近づき、挑戦できる山の幅が大きく広がります。この年齢になると個人差・経験差が大きくなるため、「何歳だから何メートルまで」という目安より、「この子の体力・経験・その日の体調」を組み合わせて判断することが本質的に大切になります。


5歳と歩くと起きること

5歳の子どもと実際に登山をすると、一日を通してどのようなことが起きるのでしょうか。朝の出発から帰路まで、親として何を見ておくべきか、理学療法士の視点を添えながら時系列でお伝えします。

出発前:事前準備が重要です

谷峨駅のホームで、まず行ったのがザックの調整です。ヒップベルトを腰骨にしっかり当て、チェストストラップで左右を固定する。子どもは肩まわりの筋肉が未発達なため、この調整が下山時の疲れ方に直結します。出発前の数分を惜しまないでください。

登り:好奇心が体力を上回る

大野山では元気に歩き回り時には走り、登山道沿いのチェンソーアートに興味を持ち何度も立ち止まりました。この時期の子どもは「怖さや疲れより好奇心が勝る」状態にあります。もちろんペース配分を自己管理することができません。すべての行動をコントロールすることもできないため、立ち止まったときに小休止を挟むなど、親が上手にマネジメントをする必要があると考えます。

山頂:突然のハイテンション

山頂に着いた途端、子どもは走り回り始めました。何時間も歩いてきたはずなのに、です。これは達成感と開放感による興奮状態で、疲れのサインを一時的に上書きしています。ここで一緒に走り回るのではなく、大休止を取って下りに備えさせることが親の役割です。食事と水分補給をしっかり済ませてください。

下り:最も注意が必要な局面

下りは登りより脚への負担が大きく、5歳の筋力では衝撃を吸収しきれません。山北側の急な階段区間で、子どもは何度か転倒して手をつきました。手袋を持たせていなかったことを後悔した場面です。下りに入ったら、ペースを意識的に落とし、子どもの足元から目を離さないようにしてください。

帰路:すべてを出し切って無事に登山終了

山北駅に着き、電車に乗った途端でした。子どもは電池が切れたおもちゃのように、そのまま眠りにつきました。それが「今日の登山の総量」です。無理をさせたわけではありません。限界まで出し切った結果です。親がコースと時間設計を適切にできていれば、この「心地よい疲労」で終われます。


「行ける」より「行ってよかった」にするために

年齢の目安をクリアしていても、準備が不十分では「行ってよかった」にはなりません。理学療法士として、そして子どもと山を歩いた経験から、特に重要だと考える準備を4つにまとめました。

① コースと時間の設計

子連れ登山で最も大切な準備です。標準コースタイムの1.5〜2倍を目安に計画し、余裕があれば短縮できる、という発想で組んでください。大野山では標準コースタイム約4時間26分に対し、実際は6時間31分かかりました。十分な休息時間を確保して計画を立てましょう。余った時間は道中をゆっくり楽しんだり、写真を撮って思い出を残す時間にも使えます。下山後の電車の時刻も必ず事前に確認してください。御殿場線のような路線は1時間に1〜2本しか運行していない時間帯があります。家に帰るまでが登山です。

② 子どもの装備を確認する

今回は怪我をしませんでしたが、後悔したのは手袋です。山北側の下りは急な階段と錆びた手すりが続き、子どもが何度か転倒して手をつきました。手袋(軍手)があれば防げたダメージです。また、4月末の大野山山頂では風があり体感温度が下がりました。汗で体が冷えないように、肌着と薄手の上着を1枚持たせてください。

持っていくべきもの(子ども用)

  • 手袋(軍手で十分)
  • 肌着・薄手の上着
  • 着替え(汗冷え対策)
  • 十分な水と行動食

③ 水分補給のタイミングを決めておく

喉の渇きを感じた時点で、すでに脱水が始まっているといわれています。特に子どもは夢中になると水分摂取を忘れることがあるため、30分に一度など、時間で区切って飲ませる習慣をつけてください。大野山には下山途中に有人の休憩所があり、水の補給ができました。どのような山でも、事前にコース上の水場・トイレの場所を把握しておくと安心です。

④ 引き返す判断を先に決めておく

登山中に最も難しいのは「引き返す判断」です。子どもが楽しんでいると、つい先へ進んでしまいます。出発前に「この時間までに山頂に着けなければ引き返す」という基準を決めておいてください。判断を現場に持ち込まないことが、安全な登山の鉄則です。


もうすぐ、私(だい)は父親になります。

娘が山を好きになるかどうかも、まだわかりません。それでも、しょうの息子が「また来たい」と言った瞬間を思い出すたびに、いつかこの子と山を歩きたいと思います。

5歳で完歩できる山がある。限界まで出し切って、それでもまた来たいと言える体験がある。そのことを知っているだけで、娘が歩けるようになった日からの準備が変わります。

お子様との初登山を考えているすべての親御さんへ。完璧な準備も、完璧な天気も、必要ありません。年齢に合ったコースを選び、時間に余裕を持って計画する。それだけで、山は家族の大切な場所になります。

ぜひ、最初の一歩を踏み出してみてください。


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知識は、一番軽い登山道具です。

登山前は必ず天気予報・体調を確認し、無理のない計画で楽しんでください。