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高尾山の階段の途中で、私は膝に手をついて立ち止まっていました。

顔を上げると、しょうはもう、ずっと先の階段を登っていました。振り返る様子もありません。追いつこうと思えば追いつけるはずでした。しかし、そのときの私には、その一歩が重すぎました。

これまで一緒に山を歩いてきて、しょうとの差を感じたことはありませんでした。同じ理学療法士で、同じように山に登ってきた相手です。それが、この日はっきりと違いました。

家に帰って、久しぶりに体重計に乗りました。105kgでした。

この記事に書いたこと

  • 高尾山で「このままではまずい」と気づいた日のこと
  • 現在の数字(体重・体脂肪率)をすべて公開します
  • 2年で13kg増えるまでに、生活に何が起きていたか
  • 「登山で痩せる」ではなく「登山のために痩せる」と決めた理由
  • これから何を記録し、何を発信していくか

目次

  1. 高尾山で、初めて置いていかれた
  2. 体重計に乗ったら105kgだった
  3. いつから、こうなっていたのか
  4. 「登山で痩せる」ではなく「登山のために痩せる」
  5. これから何をするか

高尾山で、初めて置いていかれた

その日は、富士登山の練習で高尾山を歩いていました。もともとは塔ノ岳に登る予定でしたが、雨で行き先を変えた日です。

高尾山は、登山を始める方が最初に選ぶことの多い山です。私たちにとっても、体力的に厳しい山ではありません。実際、歩き始めはいつもどおりでした。

異変を感じたのは、稲荷山コースの階段が続くあたりからでした。息が上がるのが早い。足が重い。休みたくなる間隔が、明らかに短くなっていました。

そして、前を歩くしょうとの距離が、少しずつ開いていきました。

これが、いちばんこたえました。

体力に自信があったわけではありません。ただ、これまでの登山で「置いていかれる側」になったことはありませんでした。同じペースで歩き、同じところで休み、同じように山頂に着く。それが当たり前だと思っていました。

その日、初めてその前提が崩れました。

しんどさそのものよりも、去年までできていたことが、できなくなっているという事実のほうが重く残りました。そして、その変化に自分がまったく気づいていなかったことが、いちばん怖いと感じました。

この日の登山そのものについては、「雨で塔ノ岳から高尾山に変えた日|富士登山の練習に高尾山〜城山11kmを歩いた記録【実践編①】」で詳しく書いています。

体重計に乗ったら105kgだった

家に帰ってすぐ、体重計に乗りました。

身長176cm、体重105kg、体脂肪率32%。

数字を見ても、しばらく実感が湧きませんでした。増えている自覚はありました。しかし、ここまでとは思っていませんでした。

記録をさかのぼると、2024年の体重は92kgでした。この2年ほどで、13kg増えたことになります。

一気に増えたわけではありません。むしろ、増え方に気づかないくらいゆっくりでした。だからこそ、久しぶりに数字と向き合ったときの落差が大きくなっていたのだと思います。

この記事では、これから公開する数字も含めて、経過を正直に書いていくつもりです。都合の悪い数字を隠すつもりはありません。体重や体脂肪率は、今後の記事でも実数のまま公開していきます。

いつから、こうなっていたのか

いつからこうなったのか、はっきりとした境目はありません。ただ、いくつか思い当たる変化があります。

2025年10月ごろ、妻の妊娠をきっかけに、それまでよく行っていた妻との散歩に行かなくなりました。当時は当然のことだと思っていました。体調を気づかう時期に、無理に外へ連れ出す理由もありません。

同じころ、仕事も忙しくなり、運動の頻度そのものが減っていきました。

生活のリズムが変わると、体はそれに合わせて変わっていきます。運動が減った分、間食が増えました。一回の食事量も、気づけば少しずつ増えていました。

当時は、そのどれも大きな問題だとは感じていませんでした。妻の体調が最優先でしたし、仕事が忙しいのもいつものことです。小さな変化の一つひとつは、暮らしの中でごく自然なことのように見えました。

しかし、積み重なった結果が、高尾山での105kgでした。

これといった目立つ理由はありません。生活が変われば、体も変わります。それだけのことだったのだと、今は思います。

「登山で痩せる」ではなく「登山のために痩せる」

この経験から、私たちは一つ、はっきりさせておきたいことがあります。

登山は、体への負荷が大きい活動です。息が上がり、脚が重くなった状態では、目の前の景色も、家族との会話も、十分に楽しむ余裕がありません。体が重ければ重いほど、登山そのものの楽しみが目減りしてしまいます。

だからといって、登山をダイエットの手段にするつもりはありません。山を歩くことをダイエットの道具にしてしまうと、いずれ山を歩くこと自体が苦行になります。それでは本末転倒です。

私たちが守りたいのは、体重という数字ではなく、この先の人生でずっと使っていく、体そのものの財産(健康資本)です。今回のダイエットは、一度きりの取り組みではありません。短期間で結果を出して終わる方法ではなく、何度でも繰り返せる、再現性のあるやり方であることを大切にします。長い人生を、これからも山とともに楽しむための挑戦です。

体重や体脂肪率は、これからも実数のまま公開していきます。しかし、それは経過を正直に見せるためであって、数字を減らすこと自体をゴールにするためではありません。目指しているのは、去年よりも楽に、同じ山を歩けるようになることです。心拍が上がりにくくなること、下山後に膝が痛まないこと、家族と同じペースで歩けること。そうした「登れる体」に近づいているかどうかを、この連載の基準にします。

もう一つ、決めたことがあります。しょうに監修を頼むことにしました。これまでは自己流で体を動かしてきましたが、今回は根性だけに頼らず、運動と食事の両面で仕組みを作っていくつもりです。

これから何をするか

登山のための体づくり、はじめます。朝焼けのトレイルを歩き出す後ろ姿

まず取り組むのは、記録をつけることです。体重・体脂肪率に加えて、しょうの監修のもとで食事内容を記録していきます。カロリー管理は続けられる形を優先し、細かすぎる記録で挫折しないようにする予定です。

運動については、いきなり負荷の高いトレーニングから始めるのではなく、日常生活の中で無理なく続けられる範囲から始めます。将来的には、「富士登山の練習に登りたい山5選|理学療法士が「体の準備」の目的別に選ぶ【関東】」で紹介した山を、練習として使っていくつもりです。

健康診断の結果は、現在確認中です。異常があれば、その項目については内科を受診したうえで進めます。結果が揃い次第、この連載の中で報告します。

経過については、毎回細かく報告するつもりはありません。体重や体脂肪率の推移は月に1回程度にとどめ、それ以外の回では、実際に試した運動や食事の工夫を中心に書いていきます。いつか家族で富士山に立てるように。今回のダイエットは、そのための土台づくりでもあります。富士登山そのものの準備については、「富士登山、今からでも間に合う|理学療法士が教える残り1ヶ月の体づくりと持ち物リスト」で詳しくまとめています。

体重が減ることよりも、去年より楽に、同じ山を歩けるようになること。それを一つずつ記録していきます。

体調に不安がある場合は、自己判断で進めず、専門家・医療機関にご相談ください。