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✅ 結論:富士山頂の郵便局は、吉田ルートで登ると「反対側」にあります

  • 郵便局があるのは富士宮口頂上です。吉田口の頂上に着いてから、お鉢を歩いて向かう必要があります
  • 私たちは待ち時間と手紙を書く時間を合わせて1時間30分かかりました
  • 手が冷えて、字が思うように書けません。文面は家で考えておくことを強くおすすめします
  • 投函した手紙は、4日後に自宅へ届きました

2026年8月17日、午前0時07分。私たちは本七合目の鳥居荘を出ました。

この記事は、富士山1日目、五合目から本七合目への続きです。1日目は3時間だけ歩いて山小屋に入り、翌日に備えました。

そして、この日の本当の目的は、山頂に立つことではありませんでした。山頂の郵便局から、手紙を出すことです。

だいに娘が生まれたのは、2週間ほど前のことでした。

この記事でわかること

  • 深夜0時07分の出発から、お鉢巡りを一周し終えるまでの実測タイム
  • 富士山頂郵便局の場所・混み具合・手紙が届くまでの日数
  • 山頂で手紙を書くときに、実際に困ったこと

目次

  1. 2日目・前半の記録(データ)
  2. 深夜0時07分、ヘッドライトの列に加わりました
  3. 4時47分に登頂、5時01分にご来光
  4. 山頂の郵便局で、1時間30分かかりました
  5. 手紙に書くことは、家で決めておいてください
  6. 剣ヶ峰3,776mへ──お鉢巡り一周の実測タイム
  7. まとめ:日本一高い場所から、手紙を出すということ

2日目・前半の記録(データ)

まず、この日の前半をすべて並べます。登山アプリの実測値です。

時刻地点
0:07本七合目 鳥居荘 出発
0:19吉田口七合目
0:44 〜 1:07八合目(23分)
1:19蓬莱館
1:44白雲荘
1:49 〜 2:16元祖室(27分)
2:34本八合目トモエ館
2:50胸突江戸屋
3:05 〜 3:23八合五勺・御来光館(18分)
4:01 〜 4:08九合目
4:47吉田口・須走口頂上に到着
5:01ご来光
5:13 〜 5:27成就岳
5:40 〜 6:01朝日岳
6:04御殿場口頂上
6:09 〜 7:39富士宮口頂上・郵便局(1時間30分)
7:45頂上富士館
8:27 〜 8:39剣ヶ峰 3,776m
8:45西安河原
9:01金明水
9:18久須志岳
9:31成就岳=お鉢巡り一周

要点をまとめると、こうなります。

区間かかった時間
鳥居荘 → 山頂4時間40分
お鉢巡り一周(成就岳 → 成就岳)4時間18分
└ うち郵便局1時間30分
└ うち実際に歩いていた時間1時間55分

お鉢巡りの4時間18分のうち、足を動かしていたのは1時間55分だけです。残りの2時間23分は、どこかで止まっていました。


深夜0時07分、ヘッドライトの列に加わりました

小屋の戸を開けると、外は真っ暗でした。そして、斜面の上のほうに、小さな光の列が見えました。同じように山頂を目指す人たちのヘッドライトです。

深夜の登山道。斜面の上に向かってヘッドライトの光が数珠つなぎに続いている

暗い中を歩くのは、昼間とまったく違う体験です。足元しか見えないため、自分が今どのくらいの高さにいるのかも、あとどれだけ登るのかもわかりません。見えるのは、前を歩く人の背中と、その先に続く光だけです。

長い休憩を3回、意図的に挟みました

この4時間40分のうち、長めに止まったのは3回です。

場所止まった時間
八合目23分
元祖室27分
八合五勺・御来光館18分

「富士山八合五勺 三四五〇m 御来光館」と書かれた山小屋の看板

合計で1時間8分です。4時間40分のうち、4分の1近くを止まって過ごしたことになります。

前の記事で、1日目のペース配分についてお伝えしました。歩く速さだけで調整しようとせず、休憩の長さでも調整するという考え方です。2日目は、それがそのまま効きました。

深夜に出発する富士登山で難しいのは、速く登りすぎることです。早く着きすぎると、日の出を待つあいだ、標高3,700m近い場所で体を冷やし続けることになります。かといって遅すぎれば、ご来光を登山道の途中で迎えてしまいます。

私たちが山頂に着いたのは4時47分、ご来光は5時01分でした。待ち時間は14分です。前の晩に小屋で立てた計画が、ほぼそのとおりに進みました。

服装で失敗しなかったことが、いちばん大きかったと思います

夜間の富士山上部は、夏とは思えないほど冷えます。この日は服装の調整で困る場面がなく、寒さで動きが鈍ることもありませんでした。

装備については富士登山、今からでも間に合う|理学療法士が教える残り1ヶ月の体づくりと持ち物リストにまとめています。深夜に歩くこと、山頂で長時間止まることを前提に選んでおくと、この日のような場面で差が出ます。


4時47分に登頂、5時01分にご来光

4時47分、吉田口・須走口頂上に着きました。鳥居荘を出てから4時間40分です。

そして5時01分、雲の上から太陽が出ました。

雲海の向こうが赤とオレンジに染まる、富士山頂からのご来光

だいはこれまでに5回ほど富士山に登っています。その中で、この朝のご来光は一二を争う美しさでした。

空が焼けていく様子は、写真では伝えきれません。濃い青から赤へ、そしてオレンジへと色が変わっていき、雲海の輪郭が少しずつはっきりしてきます。周囲にいた人たちも、ほとんど声を出していませんでした。

深夜から歩き続けた4時間40分の疲れが、この数分でずいぶん軽くなりました。


山頂の郵便局で、1時間30分かかりました

まず、場所を間違えないでください

富士山頂郵便局があるのは、富士宮口頂上です。富士山本宮浅間大社奥宮の社務所内に置かれています。

ここが、吉田ルートで登る方にとって最初の落とし穴です。

吉田ルートで登ると、到着するのは吉田口・須走口頂上です。郵便局は、火口をはさんだ反対側にあります。つまり、山頂に着いてから、さらにお鉢沿いを歩いて向かう必要があります。

私たちの場合、吉田口の頂上に着いたのが4時47分、富士宮口頂上に着いたのが6時09分でした。途中で成就岳や朝日岳に立ち寄りながらですが、1時間22分かかっています。

「山頂に着けばポストがある」と思っていると、計画が崩れます。郵便局に行くつもりなら、お鉢巡りを行程に組み込んでおいてください。

開くのは朝6時。それでも並びます

富士山頂郵便局は、夏山シーズンのみの期間限定で開設されます。営業時間は6時から14時です(出典:日本郵政グループ)。開設される期間は年によって変わるため、登る年の情報を必ず確認してください。

私たちが着いたのは6時09分。開局からわずか9分後です。

それでも、すでに混んでいました。開局を待っていた人たちがそのまま列になっており、想像していたよりずっと長く待つことになりました。

1時間30分の中身

6時09分から7時39分まで、ここで1時間30分を使っています。この1時間30分は、並んで待った時間と、実際に手紙を書いていた時間の合計です。どちらが何分だったかまでは記録していません。ただ、どちらも想像よりずっと長くかかりました。書くほうに時間がかかった理由は、次の章に書きます。

富士山の絵はがき2枚。山頂の郵便局で手紙を書いた

出したのは2通でした。妻と娘に宛てた1通と、義両親に宛てた1通です。このとき妻と娘は里帰り中で、義実家に滞在していました。

そして、この手紙は4日後に自宅へ届きました。

手紙を出す以外にも、できることがあります

私たちは手紙を出すことだけを目的に行きましたが、この郵便局ではそれ以外の取り扱いもあります。

  • 普通切手の販売
  • 普通郵便物の引き受け(外国宛てを含む)
  • 風景印(その土地の絵柄が入った消印)の押印
  • 登山証明書やオリジナル商品の販売

(出典:日本郵便 東海支社 プレスリリース)

特に登山証明書には、この郵便局の消印が押されます。つまり、登頂した日付がそのまま記録として残ります。手紙を出す予定がない方でも、これは記念になると思います。

価格は報道によると、専用クリアファイル付きの登山証明書が700円、ポストカード3枚組が700円、手ぬぐいが1,500円です(出典:朝日新聞)。ただし、商品も価格も年によって変わります。日本郵便は毎年7月上旬にその年の案内を出しているので、登る前にそちらを確認してください。

なお、山頂で現金を使う場面はここだけではありません。小銭を含めて、少し多めに持っていくことをおすすめします。


手紙に書くことは、家で決めておいてください

この章が、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

「感動的なことを書こう」としたら、書けませんでした

ペンを持ったとき、だいの頭に浮かんでいたのは、妻と娘の顔でした。

娘が人生で受け取る、最初の手紙になります。だからこそ、特別なものにしたいと考えていました。どうせなら感動的な内容にしよう、とも思っていました。

ところが、いざ書こうとすると、うまく言葉になりません。

理由はいくつもありました。4時間40分歩いて山頂まで来た疲れがあります。標高3,700m近い場所で、頭もはっきりとは働きません。そして何より、「特別なものにしよう」という気負いそのものが、言葉を止めていました。

手が寒くて、字が書けません

ここは、想像していなかった問題でした。

山頂では手がかじかみます。ペンを持つ指が思うように動かず、普段なら1分で書ける文章に、何倍もの時間がかかります。文面を考えながら書こうとすると、その時間がさらに延びます。

さらに、後ろには次の人が並んでいます。時間をかけるほど気まずくなり、落ち着いて考えられなくなります。

書く場所としては、決して恵まれた環境ではありません。

薄手のインナーグローブを1枚持っていれば、指先の自由を残したまま冷えを防げます。山頂で文字を書くつもりなら、手袋は「暖かさ」より「指が動くこと」で選んでください。

用意していた文面は、役に立ちました

だいは、ある程度の文面を事前に考えて行きました。結果として、それは役に立ちました。

最終的には、用意した言葉をそのまま書き写すのではなく、その場で湧いてきた気持ちを言葉にすることに集中しました。それでも、下敷きになる文章が頭にあったからこそ、ゼロから考えずに済んでいます。

事前に用意するか、その場の気持ちに任せるか。どちらが良いかは人それぞれだと思います。

ただ、ひとつだけはっきり言えることがあります。書く内容が決まっている方は、必ず家で考えてから行ってください。山頂は、文面を練る場所ではありません。

届いた手紙への、妻の反応

4日後、手紙は自宅に届きました。

妻がいちばん喜んでくれたのは、娘にとって初めての手紙が、父親からのものだったということでした。

娘自身がこの手紙を読めるのは、ずっと先のことです。そのとき喜んでくれるかどうかは、わかりません。それでも、残しておいてよかったと思っています。


剣ヶ峰3,776mへ──お鉢巡り一周の実測タイム

郵便局を7時39分に出たあと、私たちはお鉢巡りの続きを歩きました。

富士山頂の火口。赤茶けた岩肌がすり鉢状に落ち込んでいる

日本最高地点へ

8時27分、剣ヶ峰に到着しました。標高3,776m、日本でいちばん高い場所です。

剣ヶ峰にある二等三角点「富士山」の石碑。標高3775.63メートルと刻まれている

12分間滞在して、8時39分に出発しています。

郵便局のある富士宮口頂上を出てから剣ヶ峰に着くまでは、48分かかりました(途中の頂上富士館から数えると42分です)。距離としては短い区間ですが、最後に急な坂を登り返すことになります。ここまでの疲れもあり、数字以上に長く感じる場所です。

一周の実測タイム

成就岳を起点とした一周の記録は、次のとおりです。

項目時間
一周にかかった時間4時間18分
└ 郵便局1時間30分
└ 各所での滞在・休憩53分
└ 実際に歩いていた時間1時間55分

滞在53分の内訳は、成就岳14分・朝日岳21分・剣ヶ峰12分・御殿場口頂上2分、そのほか4か所で各1分です。

歩くだけなら2時間弱です。しかし、郵便局に寄るなら、そこに1時間30分を上乗せして計画してください。

山頂での滞在時間が長くなるほど、体は冷えますし、下山の開始も遅くなります。私たちが下山を始めたのは9時31分でした。


まとめ:日本一高い場所から、手紙を出すということ

この記事の実用的な結論を、先にまとめます。

  • 郵便局は富士宮口頂上にあります。吉田ルートなら、お鉢を歩いて向かう必要があります
  • 吉田口頂上から郵便局まで、私たちは1時間22分かかりました
  • 郵便局では、待ち時間と記入時間を合わせて1時間30分を見ておいてください
  • 文面は家で考えてから行ってください。手が冷えて字が書けず、後ろには人が並んでいます
  • 手紙は4日後に届きました

そのうえで、最後にひとつだけ。

山頂の郵便局は、並ぶのに時間がかかり、手は冷たく、落ち着いて書ける環境でもありません。効率だけを考えれば、割に合わない時間の使い方かもしれません。

それでも、日本でいちばん高い場所から、大切な人に手紙を出すという経験は、やはり特別なものでした。

できることなら、多くの方に経験していただきたいと思っています。もちろん、安全に登ったうえでの話です。無理をして体調を崩しては、手紙どころではありません。1日目をゆっくり歩き、体を残して山頂に立つこと。そのための準備が整ってはじめて、この時間を楽しめます。

次の記事では、この日の下山について書きます。3時間30分で標高差およそ1,400mを下り、そのあと体に何が起きたのかを記録しました。続きは富士山の下山3時間30分で、体に何が起きたか|筋肉痛と腸脛靭帯炎でお伝えします。


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本記事の内容は、私たちの実体験に基づいています。富士山頂郵便局の開設期間・営業時間・混雑状況は年や日によって変わります。登られる際は、必ず最新の情報をご確認ください。体調や体力には個人差があります。体調に不安がある場合は専門家・医療機関にご相談ください。